白雪姫と組長様


そんなこんなで奈美と別れてバイトに行く。





「雪ちゃん、お疲れ様。
もう帰って大丈夫だよ。」


「店長お疲れ様でした!」


「気をつけて帰ってね」


「はい!」


きっかり21時にバイトが終わり、店を出ると


「えっ……」


昨日も見た黒の高級車と、車に寄りかかってタバコを吸う雅さんの姿があった。



「………」


私の声に気づいて一瞥すると、秦さんが車から降りてきた。


「雪ちゃんバイトお疲れー!
車乗っちゃってー」


ドアを開けて先に雅さんが乗る。


「雪ちゃーん?どうしたの?」


固まって動けない私に声を掛ける秦さん。


「本当に……来た……?」


まさか本当に向かえに来るとは思わなかった。