「で?」
「で、って?」
「連絡先よ連絡先。
次会ったら聞けって言ったでしょ」
「あっ!忘れてた……」
「まったく……」
呆れる奈美。
大げさに肩を竦めて、やれやれなんて言ってる。
「で、でも!今日のバイトの帰り向かえに来てくれるって言ってたし……
本当に来るかは分からないけど」
「まぁ、本当にその男が向かえに来たなら連絡先ゲットしないよ。
あわよくば、お礼にご飯でも一緒に!って言って付き合っちゃいなさいよ」
そんな簡単に言うけどさ、私は雅さんに話しかけるだけでも精一杯だから
一緒にご飯なんて一生無理だと思う。


