白雪姫と組長様


私の家に着くまでは、


「そういえばさ、自己紹介してなかったよね」


「あっ!そういえば!」


「俺は秦。
バカ女ちゃんの隣に居るのが雅。」


チャラい人が秦さんで、私を2度も助けてくれたのが雅さんと言うらしい。


「私は白石雪です。」


「白石雪ちゃんね。
うーん、なんだってなぁー?」


自己紹介をすると秦さんは、運転しながら何か考えだす。


「あっ!あれだ!白雪姫!」


「へっ?」


白雪姫?


「白石雪って白雪姫と似てない?」


「ま、まぁ……?」


そういえば、奈美が高校生の時に
「あんた、名前が似てるから白雪姫って影で呼ばれてるのよ」
って言ってた気がする。


明日奈美に聞いてみよ。


自己紹介をしてからは、車内で誰も喋る事はなかった。