白雪姫と組長様


「一人追加って誰も居ないじゃん。」


私は男の人の背中に小さくて隠れているから、チャラい人からは見えないんだろう。


「後ろにいる。」


「はっ!?」


少し右に移動した男の人。


「なにこの子ー」


私を見た瞬間、笑顔を貼り付けたチャラい人。


「バカ女」


「バカ女?ふーん。それで?」


「バカだから家まで送る。」


「バカって女の子に失礼だよ」


このチャラい人、何気にいい人かも!


「事実」


「見るからに大学生っぽいけどー、まさかお前!誘拐して来たのか!?」


「あ?んなわけねぇだろ。アホ。」


「じゃあなんで」


「こいつがバカでアホで鈍感だから」


私の存在無視で繰り広げられる会話。


私の事、忘れてない?