誕生日の翌日。

今日から新学期が始まる。


うっ……。

太陽がまぶしい……。

溶けてしまいそう。

結局、昨夜はほとんど眠れなかった。

寝不足のせいで朝から頭がぼんやりしている。

思考回路が動き出さないまま、よろよろと学校へ向かった。



ロッカールームでシィ君とサトシ君に会った。

まさか朝一番に会うなんて予想外だ。

とたんに思考が作動しだして、昨日の出来事を思い出した。

耳まで赤くなる。


「おーっす」


シィ君はそれだけ言うと、目の前を素通りして、サトシ君と二人で去って行ってしまった。

へ?

あれ?

それだけ?

何か特別な言葉をかけてくれることを期待していたのに。

なんだか肩すかしをくらったような気分。


シィ君はいつもと変わらない様子だった。

昨日のことなんてまるで何も無かったかのようだ。