後夜祭。 あたしは急ぎ足で桜の木に向かった。 桜火にたった1本の長寿の桜の木。 その太い幹にもたれて アイツは立っていた。 「柚先輩っ!」 あたしが呼びかけると アイツはゆっくりと顔を上げた。 おぼろげな光にアイツが映る。 …こんなことでもきゅんとしちゃうあたしは 重症だ。