「…ちゃん!綺羅ちゃん!」
黄色い陽射しが強く照りつける七月。
文化祭の準備も始まったちょっと浮ついたこの時期…
「綺羅ちゃん。もう授業終わったよ?」
私の心もどこか浮ついているようだ。
「あ…うん…」
しーちゃんに曖昧な返事を返すとあたしは立ち上がった。
「綺羅ちゃん…。最近ボーッとしてるけど、大丈夫…?」
「うん。大丈夫。大丈夫。」
そう言ってニコッと笑って見せると
「…なら…いいけど……」
しーちゃんは不安げに俯いて
「ねっ。帰ろつ?」
いつもどおりの笑顔でカバンを差し出してきた。
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