「じゃあな。」 そういってアイツは立ち上がった。 橙色に染まった教室に紺碧のシルエットが浮かび上がる。 一度立ちどまってこちらを見やるとアイツは去っていった。 『柚。で、いいから。』 その言葉の言霊と スクールバックを肩に担いだアイツの颯爽とした幻影が ぼやけた視界に妙に鮮明に映った。