【完】蒼色ネクタイ-好きになってごめんなさい-










「きりーつ、礼。」

今日も1日の授業が無事終わり、あたしはほっとため息をついた。



見上げたカレンダーはもう5月。


窓の外では爽やかな新緑が揺らめいている。



「ふわぁ…つかれたぁ。」

目の前でしーちゃんが大きく伸びをした。



「ふわぁ。って、しーちゃん寝てたじゃん。」


あたしがからかうようにそういうと


「えへへっ。バレた?」


しーちゃんはいたずらっ子みたいに笑って


「そうだ!ねぇ綺羅ちゃん、今日パフェ食べに行こ?」


そう満面の笑みで誘ってきた。



二つ返事でOKしようとした私の声を遮ったのは…



「あ。でももう、テスト前か…」


残念そうなしーちゃんの声だった。


「えぇー!?」


私はその言葉に思わず叫ぶ。


テスト前って…マジですか!?



「綺羅ちゃん、先生ずっと言ってたよ…?」


また、聞いてなかったのか…
本当あたしバカ。

「しーちゃん、お願い!勉強教えて!!」

「私はいいけど…でももうそろそろ来るんじゃない?」



え…?来るって…?誰が?


そう聞き返そうとした途端。