ガラリ
とあたしの背中側の窓が開いたかと思うと
「なぁ、なにしてんの。」
よりによって大っ嫌いなアイツの声が聞こえた。
「なにって…この子が私たちをバカにしてくるから……」
そんな聞き苦しい言い訳をする彼女たちをアイツは
「悪いけど、全部聞いてたから。」
その一言で一掃すると
あたしをぎゅっと抱き寄せて
耳元に口を寄せると
「それに綺羅は俺のだから。」
彼女たちに聞こえるようにそう囁いた。
心臓がどくどくと揺れる。
あたしは自分の顔に熱が集まっていくのを感じた。
そんなあたしたちを見て
舌打ちをして悔しそうに肩を揺らしながら去っていく彼女たちを見届けると