『なにお前、ストーカー?』
今思えば俺はあの時から綺羅に惹かれていたのかもしれない。
『好きにならないこと』
なんて条件で半ば強引に
したくもないはずの契約なんかして
『柚…先輩…?』
そんな綺羅の言葉に一々ドキリとして
『先輩、ずっとずっと好きでした。』
あの日夕暮れの教室で告白してきた綺羅に
思わずイジワルをして
『じゃあ。契約解消な。』
そんなことを言いながらも
ほどいたネクタイを持っていかなかったのは
やっぱりその時には既に綺羅に惹かれていたからかもしれない。
でも、それに気づいた時にはもう遅くて。
『条件、覚えてるよな?』
俺は綺羅を傷つけた後だった。

