「「諦めるなバカっっ!!」」
見事にハモったその声は
あたしの凍った心をゆっくりと溶かしだした。
「綺羅ちゃん。ほんとはまだ、ユキ先輩のこと好きなんじゃないの?」
「じゃあ、諦めるなよ綺羅!
まだ、砕けてないだろ?」
「ちゃんとユキ先輩と向き合って話したの?最後までちゃんとユキ先輩の言葉を聞いたの?」
「一方的に決めつけて逃げるな!!」
「アカネ……。しーちゃん……。」
そうだ。
こんなのあたし、逃げてるだけだ。
あたしはちゃんと柚くんの言葉を怖がって
最後まで聞かずに逃げてきたんだ。
あたしは……
あたしは…!
それでもやっぱり
柚くんが好き!!

