『どうした?』 タクからの返信は 思ったよりもずっと早く来た。 『会って』 そう答えたあたしに即レスで反応が来る。 『カナ、どうした?』 『あたしと会って。駅で待ってる。』 あたしはそれだけ打つと 揺れるケータイを無視して 駅のベンチでタクを待った。 しばらくして来たタクは、 額に汗を流し息を切らせていた。 「どうしたんだよ、カナ。」 「壊して。 あたしの全部を壊してほしいの。」 電車の風が 冷たく吹き抜けた。