【完】蒼色ネクタイ-好きになってごめんなさい-








……でも、待っていたあたたかい感触はいつまでたっても訪れなかった。






「ユキっ!なにしてるの?」




目を開くと柚くんの腕を綺麗な女の人が

リカさんが引いていた。




「リカ…。」




柚くんのその声にズキンと心が揺れる。



そうだ…本当に柚くんはリカさんのものなんだ…。






優しいその声は


もう、あたしにかけられることはないんだ……





ズキッ

と深く胸奥が疼く。




ボロボロに崩れたカケラが心を引き裂いていく。

ズタズタになった心を隠して

あたしは笑顔をつくった。