……でも、待っていたあたたかい感触はいつまでたっても訪れなかった。 「ユキっ!なにしてるの?」 目を開くと柚くんの腕を綺麗な女の人が リカさんが引いていた。 「リカ…。」 柚くんのその声にズキンと心が揺れる。 そうだ…本当に柚くんはリカさんのものなんだ…。 優しいその声は もう、あたしにかけられることはないんだ…… ズキッ と深く胸奥が疼く。 ボロボロに崩れたカケラが心を引き裂いていく。 ズタズタになった心を隠して あたしは笑顔をつくった。