「そうだけど。」
「じゃあ、オレと一緒に来なーい?」
「いいけど。」
その答えは気づけば出ていた。
「じゃ、これからオレのカノジョねー。キミ、名前は?」
「カナ。」
とっさに嘘をついた訳はわからない。
ただ……
柚くんも付き合ったんだからあたしも…
なんて思いがあったことは否めない。
「カナね。オレはタク。よろしくな、カナ」
そう言ってLINEを交換するとタクは去っていった。
なんだ。連れてかないんだ。
その言葉は
どこかほっとしたような残念なような
良く分からない感情のまま胸に沈んだ。
いっそ
あたしをボロボロにしてくれればいいのに。

