『柚先輩……』 その言葉はあたしの唇から漏れたものなのか それとも過去のものなのか あたしにはわからなかった。 あたしはぶんぶんと頭を振って アイツの幻影を振り落とすと 目の前にあった白のサテンリボンを、 手にとって首元に結いた。 ―アイツのことはもう、今日で忘れるんだから。