* あたしは帰るとクローゼットを開けた。 丸襟のブラウスに 臙脂のフレアスカート うん。これでバッチリ。 あと、アクセサリーは… そう思って手を伸ばすと ひらり、 蒼色ネクタイがその手にかかった。 あたしはそれに思わず見入ってしまう。 まるで時間が戻ったかのように アイツのにやりと笑った顔が あたしの瞼に鮮明に映った。