そんなあたしは結局、 アイツの大学も何も知らないままだった。 重なっていたのはあの、たったの1年間のはずなのに どうしてアイツは忘れさせてくれないんだろう。 「綺羅ちゃん…?行こう?」 首を傾げるしーちゃんに あたしは 「うん!」 と返事を返すと 走ってしーちゃんのもとに向かった。 ―まるで何かを振り切るように…