「あのー…」

「いらっしゃいませ!どのような物をお探しですか?」

「あっ!私は、そのー、何でも無いです!」

そう言って女の子は去っていった

「誰と話してんだ?客か?」

私は、心愛(ココア)

彼の名前はブラウン猫の姿をした悪魔
(黒猫)

「ダメじゃない、お客さんがいるのに表に出ちゃ!これだから男は、ねぇー?ココ?」

彼女も猫の姿を悪魔、名前はレーネ、
(白猫)

まるでアニメから出てきてしまったのかのような猫二匹

「まぁー、お客さん帰ってしまったしいいよ?さぁー、今日はもうお店を閉めようかな?」

「おー、閉めるのか!じゃー、飯だ!早く何か作れ!」

「何を言ってるのよブラウン、あなたも私を見らなってここの手伝いをしてから言いなさい?」

二人はいつも何故か気が合わない、でも、大喧嘩わ絶対にしない、

「まぁーまぁーすぐ片付けてご飯にし………」

ーカラン カランー

お店のドアのベルがなる

「あのー、まだやってますか?」

「あらいらっしゃい!ちょうど閉めようと思っていたところだけど、どうぞ?見ていって?」

「あっ!閉める直前にごめんなさい!ここのマカロンがすごく美味しいって聞いたから食べてみたくて…」

私は、この悪魔と共にマカロンの専門店を開いている

「あら、嬉しい!美味しいだなんて!」

「評判ですよ?とても美味しいって、でも…」

お客さんの言葉が止まる

どうしたのかしら

「でも?」

「あっ、…悪魔の…店だっ…て…聞きました……そのー、変なこと言ってごめんなさい!ここに魔女がいるとか聞いていたから、怖いところなのかなとか思っていたんですが…安心しました、そんなところには見えないから」

悪魔だの、魔女だの、いつの間にそんな噂が立っていたなんて…

「あなたは、悪魔っていると思う?」

「えっ?それは...いないとは言い切れないと思います!でも…見たことが無いのでいるとも信じられません…」

クスクス

面白い子がお店に来てくれてなかなか興味深いわ!

「たしかに、あなたの言うとうりね?では聞くわ!悪魔がいたとしたら何のためにいると思う?」


「それは…人の願いを叶えて、契約するためですかね?」

「では、さらに質問!もしもあなたの目の前に悪魔が現れたら何を願う?」

「私は、その…かっ!…あっ、過去に…戻りたいです…」

やっぱり!

「その願い、私が叶えてあげてもいいわよ?あなたが望むならね?」

「えっ?…どうやって?あなた一体何者ですか?」

「ウフフ!魔女って言ったら、信じる?まぁー信じてくれなくてもいいけど、で?どうする?」

「まっ!待ってください!どういうことですか?まっ…魔女?あなたが?」


「そうよ?てか、そんな話はどうでもいいのよ!どうするの?過去に戻りたいんじゃないの?」

「戻れるの?本当に?でも、どうせ、代償とか取られるんでしょ?」

「願いを叶えられるわ!確実に、それは保証してあげる!でも代償は…記憶…よ、」

「記憶?ですか?」

「ええ!そうよ、記憶!その人が一番大事にしている記憶をもらう、ある者は、彼氏との思い出、ある者は、家族との思い出、ある者は、友達との思い出、青春の日々、ある者は、全ての記憶を失ったものもいたわ……クスクス」


「そんな!やっぱり私やめます!嫌です、そんなの、嫌です〜!」

ーバタンー

「いいの?ココ、せっかくのお客さんよ?しかも、魔法のマカロンを買いに来たのよ?」

レーネが足元から話しかけてきた

「大丈夫よ!あの娘はきっともう一度ここへ来るから!必ず!あの娘は物凄い事を抱えているんだもの」

その日から二日後

「相変わらず暇な店だな〜」

「コラ!ブラウン!ココが諦めず頑張ってるのよ?しかも!あなた何もしてないじゃない!」

「はぁ?してるよ!俺だって!」

「じゃー、あなたは、今何してるのよ!」

「はぁ〜〜~~何だと?!」


といつも道理の二人の喧嘩を聞いていると、

ーカランカランー

お店のベルの音がした、

「あら!やっぱり、また来たのね?いらっしゃい、覚悟は決まったの?」

そこにいたのは2日前に、ビビって帰ってしまったお客さん、

「あの、本当に叶えてくれるんですよね?」

「ええ!もちろん!そのかわり代償はもらうけどね?」

「私…過去に戻りたいんです…」

「そぉーなの、それはまたどうして戻りたいのか、それを話してもらえるかしら、」

「私、5ヶ月前に…彼氏を亡くしたんです、あの日、デートをしていて、私がわがままを言ってしまって……」

恋愛のお悩みはたくさん人が持っているもの、

大抵の悩みは恋愛によるもの、
好きな人に思いを届けたいなど、

まぁーそんなこと自分で面と向かって言えばいいのにね?
何でもかんでも何かに頼ろうとする、そこが人間のずるいところなのかもしれない、確かに、モノを使って恋愛して失敗したら、逃げてその物のせいにすればいいだけだものね?
何でもかんでも目をそむけて、人間ってなぜこんなに愚かなのかしら、

「わかったは、その代わりあなたにとって大事な記憶が消えるそれでもいいのね?覚悟はあるのね?」

「もっ、…もちろんです!構いません!」

「では、これをお食べなさい」

「え?……マカロン?」

「うふふ ただのマカロンではないわ!時をさかのぼることのできる」