ご飯の時間になり、母親に起こされると、私は食卓に向かう。


食卓には上機嫌な父親がいた。



「倫子、木村さんとはどうなってるんだ?」


「……別にどうもなってないけど」


「木村さんなら、お父さんはいつでも賛成だからな」



なんだか、又シュウとの結婚が遠退いた気がする……。



「絶対にないから」



よく考えたら、なにも進んでない気がする。


私とシュウの間がちゃんとしないと、なにも進まないよね。


シュウはちゃんと考えてるのかな?
先のこと……。


いろんなことが私の気持ちを不安にさせる。


ご飯を食べて、お風呂に入り、部屋に戻ると携帯が鳴る。


―着信 シュウ


私は急いで電話に出た。



「もしもし」


「倫子さん?」


「うん。仕事終わったの?」


「終わった。あのさ、土曜日うちに来ない?」


「行くー!紗香……」



言いかけて私はやめた。
紗香に会いたいけど、この前会ったことになってるもんね。



「なに?」


「ううん、なんでもない」


「じゃあ、土曜日ね。又電話するよ」


「うん」



用件以外はなにも話さないシュウ。


でも土曜日、会えるんだ。