「携帯番号変わっただろ?俺からは聞かない。もし俺が必要なときがあったら、電話してこいよ」 「……」 私はなにも言えない。 なんて言えばいいのかが分からない。 「そんな顔するな。ごめんな、大変なときに」 「……いえ」 「じゃあ気を付けて帰れよ」 三上さんはそう言って、私の頭を軽く撫でると優しく笑った。 「……じゃあ、ありがとうございました」 私はそう言って頭を下げ、改札を抜ける。 ホームまでの距離が長く感じた。