......怖い。


目の前の鬼を見て、切実に思う。


「けーいーくん?どういうこと?」


「......美咲。」



「稚咲泣かせんな!!」


「......ごめん。」



「あんた稚咲が好きなんでしょ!!......なんでふったのよ?」



......美咲にも話さなきゃな。


「......外国に引っ越すから五年間、日本に帰れない。」


そう言うと途端に固まった美咲。


「......それなのに好きだなんて言えるわけねぇじゃんと思ってた。......けど、俺は、この気持ち伝える。」



「......」


「稚咲と話してくる!」

「......分かった。」
 

美咲と別れ、稚咲のもとに走る。