「…ホントに才能ある人は目が違うんだ。 どんなにみすぼらしい格好していても、どんなに 貧しくても目に光がある。 桜さんなんかは、まさにそういう人だよな。 だから皆集まるんだよ、 ほら街灯に虫とか集まるだろ?」 街灯に虫…… 彼の表現は微妙に反応に困る。 「……寧ろアンタのが舞台映えしそう。」 「え?」 「……冗談だよ。」 彼は鼻で笑って、黙って舞台を見ていた。 もやもやは少しだけ、なくなっていた。