劇団の人は私と桃花の事を知っている。 「お母さんは、なんで別れちゃったんだろうね?」 「桃花。」 「分かってる。けど、 やっぱ分かんないじゃん。 お父さんも話してくれないしいイミフだよ。」 空席の劇場の席から舞台を眺めながら 桃花は真正面を見ていて、はぁとため息をついた。 「………お母さんにも夢があるからじゃない。 桃花だって結婚したいって言ってるでしょ。」 「うるさーい!!」