ギリギリセーフで新幹線に乗り込んだ。
行き先は
「京都?」
「時間があったら、行きたかったから。別に一人でも
良かったんだけどね」
直昭さんから、はいと乗車券を渡された。
おれが誘ったからお金は要らないと
頑なに断られたので
駅弁を、二人まとめて買うことにした。
「………まさか京都に行くなんてな。
蓮花には冗談で、聞いたのに。」
「わたしもどこか遠くに行きたかったし、
直昭さんが一緒なら大丈夫です。」
彼は窓枠に肘を付いて、わたしをみつめた。
「……。あっちについたらキスしたい。」
「………!!」
直昭さんはふいと、視線を外し窓の外を見た。
暗くて互いの顔がまどに映る。
キス、………。