「そうかー。薔薇をとりあえずピンク白、辺りで。 あとはお任せしていいですか? 私、花には詳しくなくて。」 目の前の綺麗な女性はカタログを見ながら笑っている。 綾瀬結希(あやせゆうき)さん。 綾瀬さんのお姉さんだ。 今日は、結婚記念日の花束の打ち合わせに来ている。 綾瀬さんは仕事で不在。 気さくて、明るく、何より綾瀬さんに少し 似ている…気がする。 「はい。かしこまりました、他にご要望は……」 「うーん。うーん、……いまのとこは無いです。 藤ノ宮さんのセンスにお任せします。」