臨海公園で、港も近い公園からは大きな船が
何隻か見えた。
遠くにはビルが立ち並んで不釣り合いに見える。
「……すみません」
「……綾瀬さん、私は気にしてないですよ。
彼女さんのこと。大丈夫です。」
綾瀬さんは、首をふった。
「……でも。」
「綾瀬さんと私は生きてきた時間も、
歳も違います。だから、
綾瀬さんに彼女さんがいたのは当たり前です。……気にしないでください。」
私は綾瀬さんが好き。だけど、
綾瀬さんのことをあまり詳しくは知らない。
彼女さんのことも。
あの人は、綾瀬さんの事を直君と呼んでいた。
きっと綾瀬さんも彼女と過ごした時間ががあったんだろう。
その時間を否定してはいけない…と思う。
「……」

