「今日可愛いですね。なんか……いつもと感じが違う気がします。」
……!
綾瀬さんはバックさせながらミラー越しに私を見つつ言った。
「ありが……とうございます。」
「や、いつもが可愛くないとかじゃなくて、あー……。すみません、上手く言えないです」
上手く言えなくていい。
綾瀬さんは、ちゃんと言葉にしてくれた。
「…綾瀬さんも、格好いいですよ。」
「……、」
口にしたらものすごく緊張した。
ラジオから流れる音楽が小さいボリュームで流れていた。
「…はい。」
綾瀬さんは短い返事をして、ハンドルをきった。

