ハナミツ





♪~


スマホから音楽が流れた。俺のではない。


すみません、と藤ノ宮さんはバックからスマホを取り出した。

俺を気にしていたのかチラッと少し見られたが
大事な用件かもしれないから、どうぞと一言言った。


「ありがとうございます。」



少しの間、スマホで何かを確認したあと
ふぅと息をついた。



「………誰かから連絡でしたか?大丈夫ですか」


「はい。ありがとうございます。
美咲からでした。映画に誘ったんですけど……彼氏とデートらしくて、フラれちゃいました。」



美咲……藤ノ宮さんの友達兼仕事仲間。
かなりの美人さんで気がつよい。


だったかな。


映画か……。


「いつ行く予定だったんですか?」


「あ、えと。………21日です。」