「藤ノ宮さん。」 綾瀬さんはたしなめるみたいに私に言って、 美咲に頭を下げた。 「黙っていたことをお詫びします、 すみませんでした。これからも藤ノ宮さんを 友人として変わらずに接してあげて欲しいです。」 まるで綾瀬さんが私のお父さんみたいな 口ぶりだった。 「……もちろんそのつもりです。綾瀬さん。」 どこか偉そうに聞こえたのは、 気のせいじゃないかもしれない。