「美咲」
美咲と綾瀬さんはこっちを向いた。
まさか
話に加わるとは思って無かったのかもしれない。
「黙っていてごめんなさい。
綾瀬さんとの事。
でも、綾瀬さんは悪くないの。
本当は…私が、綾瀬さんから
離れなきゃいけなかった。
今でも分かってる。いつか
離れなきゃいけない時がくるんじゃないかって………。」
分かってる、綾瀬さん以上に。
大事な人はいなくなっちゃうから。
美咲もその事は知っているからこうやって、
綾瀬さんに聞いているのかもしれない。
「美咲は私が黙っていたのが
嫌だったんだよね。
ちゃんと話せば良かったんだけど、
私が決心がつかなかったから
ずるずるになっちゃって、……
ごめんなさい。
今日の事は、綾瀬さんはすぐに返事してくれたの。
"美咲の言っている事は、間違ってない。
当たり前だって。私がキツイから
話しておいた方がいいって"。
………だから。」
責めないで。
綾瀬さんを。

