ハナミツ





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待ち合わせ場所の店に入ったら、あんまり席がない店内の奥のソファー席に綾瀬さんは座っていた。





「すみません。綾瀬さん。」



「お久しぶりです。藤ノ宮さん」

後ろにいた美咲は、とりあえず笑顔で会釈し
私の横に座った。



「すみません、先にコーヒーを頂きました。こっちがメニューです。」


「ありがとうございます。」



美咲にメニューを見せた。
私はカフェオレしか飲めないから選択肢が無かった。



「すみません、綾瀬さん。コーヒー美味しいですか?」

美咲が急に聞いたから、私はあわあわしてしまった。



「…美味しいですよ。アイスでも美味しいと思います。」


綾瀬さんはそつなく美咲に応えた。