ハナミツ








「しかし、本当にあの、綾瀬直昭なの?嘘じゃなくて?」



「あのって。綾瀬さんは綾瀬さんだよ。」



美咲はふーんといまいち実感がわかないと言った返事だった。




「結構カッコいい人だったよ。
私にしては珍しく好きな方かな。
まぁ、あと10年したらいい男になりそうかな。」



美咲の中で綾瀬さんのイケメン像は、10年先の話らしい。


***















綾瀬さんにメールした日。



返事は遅くなると思ってたらすぐ、連絡がきた。






私は、ゆっくり美咲に話したい事情を伝えたら
綾瀬さんは、いいですよと二つ返事だった。





「あ、綾瀬さん。本当に大丈夫ですか?無理なら、本当に………」



「『いえ、大丈夫ですよ。俺はともかく
その友達の方の意見に反対する理由がないですから。当たり前のことです。』」