「想像ができないです。……綾瀬さんは真面目でカッコいいから」
「良かったね。そういや、最近変わったこととかない?大丈夫?」
「いえ、特には……何かあったんですか?」
いや、実はねと七瀬さんが話してくれた。
「うちの事務所ではないんだけど、
別の事務所にいる男性声優と一般人の人との交際がどこからか漏れてね、その一般人の彼女が怪我をしたみたいなんだ。なんか駅で階段から突き落とされた…みたいでね。
だから、一応確認がてら聞きに来たんだよ。」
交際がどこからか漏れた……。
「酷い……ですね。」
「どちらが悪いとかじゃないんだよね。
どちらも間違って無い。ただどちらかが加減が
効かなくなったらダメになっちゃって、
どちらかが自滅に追い込まれちゃう。
………脅してる訳じゃないんだ、ごめんね。」
七瀬さんは目尻を下げてすまなさそうに謝ってくれた。

