「………わ、っくしゅん!!」 急に寒気がした。 綾瀬さんはマフラーを首から外し私にかけてくれた。 「あ、綾瀬さんが風邪引いちゃいます。大丈夫です」 「それ返しに来てくださいよ。俺のですからね」 「……はい、」 煙草の匂いはしない、何だろう 香水のすっとした香りがする。 ついマフラーに顔を埋めてしまった。 「……返事はまたマフラー返す時にでも聞かせて下さい。 少し焦りすぎました。帰りましょうか?」