ハナミツ








ゆっくり目を開くと、目の前に綾瀬さんがいた。



「綾瀬さん?」



「桜がたくさんついてますよ。…すげぇ沢山。」


苦笑しながらわたしの頭に付いた花びらを取ってくれた。


「あ、ありがとう……ございます……。」




「あーあー、たくさんついてますよ。はは、取りきれないな。」


綾瀬さんはすっと髪をすいて花びらを取ってくれる。


なんとなく目を閉じた。
目を合わせるのが恥ずかしくて。