「私なら、大丈夫ですよ?」

「ほら、望愛もこう言ってるよ!

ねぇ、僕行きたくないよ!」


「廉乃、廉乃は先に家に帰ってなさい。


ちょっと、望愛ちゃんとお話あるから。」


「…わかった。…何言われようと僕は望愛から離れないからなっ!」


「(なんですか、その胸きゅんワードっ!!)……あの、話って…」


「あのね、私は廉乃が生まれてすぐに旦那と別れたのだから、ずっと廉乃と2人だった。

廉乃は人見知りで友達も居なくて、私の仕事上、すぐに引越ししたり…

廉乃には寂しい思いさせちゃってて…

だからね、望愛ちゃんにはほんと感謝してる。

廉乃と一緒にいてくれてありがとうね。


でも、もう大丈夫なの。

廉乃のおじいちゃんが廉乃が産まれる前に死んじゃってね。

おばあちゃんも寂しいし、廉乃と居たいんだって。

でも、廉乃は望愛ちゃんと居たいって…

ねぇ、望愛ちゃんから言ってあげて欲しいんだけど…

良いかな?」


「…はい。」

廉乃くんと離れたくない。

でも、しょうがないよね。


うん。


廉乃くんを

説得させるんだ。


「そんな悲しそうな顔しないで?」


廉乃くんのお母さんが私の頭を撫でる。


いつぶりだろう。

頭を撫でるのは…


「…また、会えますよね?

廉乃くんと…」


「会えるわよ。


きっと、廉乃が会いに来るわよ。」


「…はい。

わかりました。

廉乃くんを説得します。」



「ごめんね。

こんなこと望愛ちゃんに相談して…」


「いえ…」


「引越しは2ヶ月後なの。」

「…2…ヶ月後…」

そんなに早いの…?

お別れってこんなに突然に来るものなの?