夏の朝日は誰よりも早起き


気が付いたら
窓辺にうずくまって寝ていた



凪沙の部屋を見る



昨日と変化はない



「なんだよ…。」


携帯を開いてリダイヤルを押す



昨日から何度となく繰り返した行為



『お掛けになった電話は電波の届かないところにあるか電源が…』



聞きあきた音声



痺れを切らして
凪沙の家へ行こうと立ち上がった時だった



意外な人からの着信が私を呼んだ


【着信 山田弟】


なんだろう?
全寮制の中学校に通う凪沙の弟

そんな弟がどうして…?

通話ボタンを押す手が
なぜか一瞬…戸惑う


「もしもし?」