日が西に傾き、世界を赤く染めている。 そよ風が優しく頬を撫でて、心地良い。 そしてその風が葉を揺らす音と、他の生徒の笑い声をBGMに帰宅をする。 「あのさ…、恋人、いないの?」 学校の帰り道、俺と一緒に帰っている彼女が、突然そんなことを言うから、俺はゴホッと咳き込んだ。