「一之瀬さん、ちょっといいかい?」 すると、突然部長に呼ばれた。 「なんでしょうか?」 「この資料、明日の朝までにフランス語に訳してくれないか?先方にフランス人の方がいてね、その方にも読める資料作成が必要なんだ」 そう言って渡された紙の束。 図などがあるものの、ほとんどが文字でびっしりなその紙はざっと20枚はあった。 「明日の朝まで…ですか」 「急ですまないが、頼むよ」 「はい…わかりました」