「確かに彼女の演技は完璧だ」 彼は舞台から視線を外さず言う 「しかし、彼女は役者としてなくてはならない大切なものを手にすることができない。 何だと思う?」 「そんなの、分からないわ 天才の彼女が手に入れられないものなんてあるの?」 「ある。それは観客の心だ」 「観客の…心…?」 「そう、観客の純粋な心だ 彼女は君の言う通り、人を殺している。 人殺しの汚れた手に観客の演目に対する純粋な心は掴めない どんなにもがいても少しも触れることはできないんだ」 彼はどこか悲しそうな眼をして言った