「いいバンドでしょ?」
ココアくんおすすめのバンドが終わって
ココアくんが言う。
「はい!なんかわかる気がします」
「でしょ~」
自分のことのように嬉しそうに言う。
きっと本当に好きなんだろうな
「あ、ココアくん!」
ふとしたように流羽が言う
「ん?」
「CD買いたいです!」
「ほんと!?ありがとう!」
また嬉しそうに笑う。
この笑顔、好きだなぁ…
そんなことをぼんやりと考えていると
いつの間にか流羽はCDを買っていて
ココアくんにサインを書いてもらっていた
あ、そういえば…
「あの、お願い事してもいいですか?」
「なぁに?」
「一緒に写真撮ってもらえないですか?」
ずっと思ってた事、やっといえた!
「やった!ありがとう!!」
またまた嬉しそうに言ってくれる。
それは私の台詞だよ、ココアくん。
「ココア!」
声のした方をみると清楚な女の人
「あ、まだいたんだ!良かった」
するとコクコクと頷く女の人。
ココアくんと同世代くらい…?
「あ、写真撮って!」
そういってココアくんは自分のケータイを女の人に渡す
そして流羽と私の隣に来た
「あ、俺真ん中行きたい!」
私が少し流羽から離れるとその間に入ってきたココアくん
「やった、両手に花!」
「私は違いますよ!!片手に花で片手に枯れた花ですよ」
流羽はボーイッシュだけど美人。
私はもう旬が過ぎた。笑
「そんなことないよ!十分可愛い花だよ!」
「えー!」
あははと笑ってみたけど
照れる!!
すっごい照れる!!
「はい、撮るよー」
3人でカメラに向かって笑う
その時、ココアくんが私の肩を抱いた
でも不思議と嫌な気持ちはしなかった。
流羽はCDを持って写真に写っていて
「あ、CD持ってくれたんだ!いいね!」
「はい!記念に!」
楽しそうに笑う二人
「いいなー」
そんな二人の会話にふざけて拗ねたようにして入る
「CD買わないからだろー」
「だろー」
ふざけて乗ってくれるココアくんと
それに乗る流羽。
「私も買うー」
「お!!ありがと~!!
1200円でーす」
「はい、1200円!
あの、サインとか書いてもらえないですか?」
んー、だめかな?
サインなかったりとかだったら…
なんて考えつつも
聞いてみた。
しかし彼は
「もちろん!」
とサラサラと『ココア』と似顔絵を書いてくれた。
しかも宛名まで書いてくれた。
嬉しい…

