「もう帰るの?」

さっきまで歌っていたバンドは終わっていて

耳元で話さなくても会話ができるようになった頃

ココアくんの言葉に

私と流羽はどうする?と顔を合わせる

「んー、多分もうすぐ帰ります」

困っていると流羽が言ってくれた

「次でるバンド、俺のオススメなんだ!」

「あ、そうなんですか?」

にこっと笑う彼にそう返すのがやっとだった

「うん!すごい素敵なバンドだよ」

またにこっと笑う彼。

「あ、別に宣伝とかじゃないんだけど
俺すっごい好きなんだ」

慌てて付け加える姿が

少し幼くみえて。

私はまたそんな彼にきゅんとした


ココアくんオススメのバンドかぁ…

みてみたいな


流羽をちらっと見ると目が合った

「じゃぁ、次のみてから帰ります!」

流羽は私の考えがわかったのか

そういってくれた。


ほんとに流羽は人の気持ちによく気付く子。