冷めた目で赤髪を見ながら、話を続ける。
「そこ、通してくれる?邪魔なの」
早く倉庫から出たいのに。
イライラは募るばかり。
「はぁ?通すわけねぇだろ?俺は、てめぇ等を潰しに来たのによぉ」
挑発しながら嘲笑う赤髪。
「潰しに、ですって?」
「あぁ、そうだよ」
ニヤニヤ穢らわしい笑い方をする赤髪。キモ。
潰しに、その言葉で倉庫内の空気が凍った。
にこにこ笑顔を絶やさない柚木からは静かな殺気が溢れ、
美紅は赤髪を汚物を見るようなまで見ている。ざまあ。
「ふぅん?アンタ、...小西が連絡入れた奴ね。ちっ」
思わず舌打ちが出る。
ほんと、イライラする。
時間がロスするのって嫌いなのよね。
...早々に潰そう、うん。
そう思った私は柚木に声をかける。
「柚木、よろしくね?」
にっこり、フルスマイルで笑えば柚木は綺麗な微笑を顔に浮かべた。
赤髪なんて柚木一人で十分過ぎるぐらいよね。
ほら、私って自分の手は汚したくない主義だから。


