「飛龍の面子?もういないと思うよ、多分。」
「もういない…?」
「どういう意味よ、それ!」
微笑みながら言う柚木の言葉をリピートすれば、小西は焦ったように突っかかってくる。
小西が柚木の腕を掴むが、柚木は微動もせず。
「汚い手で触らないでよ」
それどころか、小西の手を振り落とした。
「な…っ、柚木くん…!」
小西はわなわなと体を震わせる。
自分の手を柚木が振り払わないとでも思ってたのかな。
柚木には他人に対する優しさが微塵もないからなあ。
しみじみとそう思っていれば、この部屋の扉の外から物凄い音がしてきて、思わず扉に目を向ける。
「なに…?」
ドドドドドド、と機械のようなうるさい音を出しながらこちらへ近付いてくる。
小西も同じように驚いて扉を凝視しているが、柚木は表情を変えずにいる。


