まじで有り得ない。
気分は最悪。
「大地!起きてよ大地!この女を早く追い出して!」
そんな私に気付かず、小西はゆさゆさと玖山の体を揺する。
必死の形相の小西に、柚木は無情な言葉を落とす。
「残念だけど、気絶してるから」
「……うそ、でしょ…?」
まさか飛龍の総長ともなる玖山が、幹部の柚木に殴られて気絶するとは思わなかったのだろう。
その証拠に小西は怯え出す。
億劫した?
……と思ったら
「まだっ、まだよ!飛龍の面子が下に居るはずよ!報復してもらうわ!」
どうやら小西は、まだ余裕があるらしい。
え、本気なの?
この状況でそう思えたの?
まじで救いようのないバカ。
私はそう思いながら、柚木の方に視線を向ける。と言っても目の前に居るんだけど。
「……柚木、下に飛龍の面子がいるみたいだけど?」
流石に少し心配になり柚木に声をかければ、柚木は私にニコリと笑い返した。


