私が怪訝そうに眉を顰めると、目の前が急に金色で遮られる。
「結莉。あんな汚いのは視界に入れなくていいよ。」
私の視界を遮る金色は、柚木の髪。
「っな、汚いですって!?」
あ。小西、自分のことだってわかってたんだ。
もっとポジティブ思考にいくと思ってた。うんもう、性格的にね。
「うるさいよそこの女。」
「っ柚木くん!なんでその子を庇うの!?」
”裏切り者よ!?”
ヒステリックに叫ぶ小西の声が耳障り。
別にさあ、小西なんかにどう思われようがどうでもいいけど。裏切り者扱いされるのはウザイ。
私がイライラしているのを察したのか、柚木は小西に冷たく言い放つ。
「気安く話しかけないで。ウザイ」
「〜〜っその女に誑かされたのね!?」
「は?」
訳もわからない言いがかりをつけられる。今日2回目。
柚木を誑かした覚えはないんだけど。
目腐ってんの?


