「つれないなぁ。」
柚木は笑う。
高らかに笑う。
目が笑ってないんだけどね。
さて、柚木のヤンデレっぷりが発動されないうちに聞きたいことは聞いておこう。
「柚木は飛龍の幹部でしょ。総長殴って大丈夫なの?」
「ん〜?大丈夫大丈夫、問題ない」
いや、問題ありまくりなんだけどね。
柚木がいいならいいや。
平然とした顔で柚木と会話を進める私に、小西は声を上げた。
「柚木くん、なんてことするの!?」
信じられない、そう顔が語っている。
それに柚木は、無表情で答える。
「結莉を殴ろうとしたのはソイツでしょ。正当防衛だから。」
ケロッと言ってのけると、小西は体を震わせる。
「っ大地は総長なのよ!?こんな事して、飛龍の面子が黙ってないわよ!」
必死に叫ぶ小西。
まるで、柚木に後悔させるように。
おーい。ぶりっ子できてないよ。
演技終わってるよ。
気付いてないのか、コチラを渾身の力で睨んでくる。
コチラっていうか…主に私?


