つい最近、18歳を迎えた私におばあちゃんはお守りをくれた。


「綾音(あやね)ちゃんは厄年だから、このお守りを持っていれば厄は避けられるよ」


おばあちゃんがめちゃくちゃニコニコしながらそう言うものだから、試しにバッグにお守りを付けていたのだ。


そう。そのバッグはあいにくロッカーの外。しかもロッカーから程遠い教室の扉にある。

お守りから離れてしまった私。

今起こっているロッカーに閉じ込められた出来事はきっと

「厄年だからねぇ」

おばあちゃんの声が頭の中をこだました。


おのれ、厄年。

この恨みは一生忘れぬ。


ロッカーの中で助けが来るのを待とう。

私はそう考えた。

ロッカーの中から助けを呼ぼうとしても、放課後だし、あの人はなかなか帰って来ないし、無駄かもしれない。


私は悟りを開けそうな勢いで、落ち着き、目をゆっくり閉じた。


思い出すのは昨日のこと。