【短編】好きかもしれないバレンタイン

とりあえず、まだアイツからバレンタインのチョコを貰ってないから、教室で受験勉強しながら待ってるけど、未だに来ない。

帰っちゃったかな。


そう思いながら俺は教室へ戻った。

自販機で買ったリンゴジュース。

そう言えば、アイツはリンゴジュースが好きだったよな。





「ん？」

目の前に、ドアの前に、アイツのカバンがあった。

アイツ、教室にいるの？


そう思い、アイツのカバンを持ったまま教室に入ったけれども、

「誰もいない」


静けさが教室を支配する中で突然、


ゴンッ


何かを叩く音がした。